実習内容
建築製図
建築製図は主に手描き製図の時間です。1年生では製図の基礎・基本、2年生では木造住宅を設計して図面化、3年生ではコンクリートのマンションなどを設計して図面化することを目指します。建築士試験の2次試験が手描きの製図であることと、図面を手で綺麗に速く描くことはデザインの技術を高めることにつながります。
CAD実習
CAD(キャド)とは手描きの代わりにコンピュータを使用して設計・製図を行うシステムです。効率よく綺麗に図面を仕上げることを目的とした2次元CADと、建物の立体像を考えながら設計するための3次元CADも使用します。
造形実習
中学校で学んだ美術を建築に応用した内容の実習を行います。色彩、ロゴマーク、デッサン、透視図法、建物模型の製作、コンピュータのペイントソフトやドローソフトの練習も行います。
計画実習
音、照度、日影、気温、風など、建物内で快適な生活を送るための環境を計画したり、法律で定められた基準に適合しているかを測定装置等を使用して適しているのか確認をします。
木造実習・施工実習
木造実習では建築デザイン科を卒業して大工を目指す人のために木材を加工して家を建てる技術を学びます。施工実習では建築デザイン科を卒業して現場監督を目指す人のために土地に建築物を建てる位置を示したり、足場を組み立てたり、鉄筋コンクリート造で使用する鉄筋を組んだり、コンクリートブロックを積む左官実習なども行います。
材料実習
安全な建物のためにはどのような材料を使用したらよいのか?建築で使用する材料の強度をJISで定められた試験方法に基づいて調べます。完成した建物で人々が安心して暮らせるように固めたコンクリートの試験体を試験装置で破壊して強度を調べたりします。
授業内容
建築構造
建築で使用される木材・コンクリート・鋼材の種類や特徴、木構造(在来軸組工法・ツーバイフォー工法)、鉄筋コンクリート構造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート構造、その他の構造など、私たちの周りにある建物がどんな構造でできていて、どんな特徴があるかを学びます。
建築計画
色彩、日照、風、音、などの基礎から始まり、音を遮断するしくみ、断熱性能を高めるしくみ、建物の中での人の動き(動線という)、住宅に必要な部屋と広さ、部屋の用途によって快適な方位、一戸建て住宅の間取り、共同住宅の間取り、多くの人が集まる建物の計画など、快適な建物を計画するめの知識を学びます。
建築構造設計
構造設計とは、台風や地震でも建物に影響がないように建物に加わる力の値を計算して安全性を確かめます。東京タワーや名古屋のテレビ塔は、細長い鋼材でも安定して強度を保てる三角形が連続したトラスという構造で、電卓がなかった時代に計算尺という定規を使用して強度計算されたものです。高校で学ぶのは構造設計の基礎の範囲で、数学というより算数の応用です。
建築施工
建築の工事現場が、安全に、図面どおりの品質で、決められた期間内に建てられるようにするための知識を学びます。現場監督になるならぜひ取得しておきたい建築施工管理技士の試験は、この建築施工で学ぶ内容に近いです。
建築法規
建物を設計する人や建てる人は、その建物で暮らす人の命と財産を守らなくてはなりません。そのために「建築基準法」という法律があります。建築基準法の法令の全て学ぶことは時間的にできませんが、むずかしい表現で書かれた法律をなるべくわかりやすく、建物を設計したり建てる人だけでなく建物で暮らす人にも知っておいて欲しい知識を学びます。
情報技術基礎
産業社会と情報技術、ソフトウェア、プログラミング、ハードウェア、マルチメディア、制御、通信などの基礎的知識を他の科と同様の内容を1年生で学びます。